・テキスト
    ハイパー東大物理という、予習して授業内で解説をするテキストが1冊に加え、自習用のテキストが基礎シリーズに1冊、完成シリーズにも1冊配布されます。また物理基礎理論という参考書みたいなものも配られます。
    授業テキストに関しては、東大opの過去問や東北大後期、東工大の過去問などが使われており平均的には東大本試験よりレベルは少し上です。数問は途中からさっぱりわからないものが入っているのであまりめげないように… 僕は1回の授業に対して、本番と同じ75分でテスト形式で予習をするようにしていましたが、わからない問題があった場合は厭わず3時間程度予習にかけていたとおもいます。実際75分で全問完答できた回は1/2程度ではないでしょうか。(一応全科目の中で物理が最も得意でした)
    自習用テキストに関してですが、
前期では力学、熱、波 の3分野
後期では電磁気、原子の2分野となっています。
授業テキストも同様の構成であるため、前期に電磁気全く触れないという状況が生じてしまいます。その結果僕はオープンで0点とかいう爆死をかましてしまったためちょっとはやったほうがいいかと思います…
難易度は、授業テキストよりは簡単です。とはいってもめちゃくちゃ簡単なわけではなく、基礎の理解ができているのかがしっかりわかる良問で構成されています。このテキストの監修はあの苑田尚之先生がなさっています(前書きを見たらすぐにわかる)。それゆえ一部にcotθとか重心相対系とかが出てきますが、知らねえよっていってキレないように()  個人的に、下手に難系とかを回すよりこのテキストやったほうが効果は高いと思います。
    最後に物理基礎理論というテキストについてですが、これは言ってしまえば「新・物理入門」に「理論物理の道標」を掛け合わせたような参考書です。というか理論物理の道標とほぼ同じかより高度な部分で構成されています。
ただ構成自体は
①普通の高校物理を体系的にまとめ直した部分(運動方程式を変形して運動量保存やエネルギー保存を導いたり、など)
②高度な内容(減衰振動とかを微分方程式使って解析したり、波の群速度や位相速度、マクスウェル方程式、さらには相対性理論をちょこっと)
の2つの部分が交互に出てくる形になっていて、当然ながら②は一切読み飛ばしても問題はありません。
現役時代に東進でハイレベル物理等を受講していたとか、重心相対運動などを学んでいたとかの経験がない場合読み進めるのには少し時間がかかるし身につけるのも大変だと思いますが、少なくとも①の部分は身につけておいたほうがよいです。というか授業でも重心系は扱いますから身につけておいたほうがよいです。②の部分に関してですが、僕は微分方程式と相対論以外は通読しましたが劇的に実力が上がるようなものではないです。まず基礎的なこと、法則の適用条件などをその理由や論理ごと頭に入れるのが第一です。とくにある程度できるようになった後に放っておくと「あれ、これが適用できるのはわかるし理由も答えられるけどなんかシックリこない」みたいな状況に陥るので、基礎理論を完全に通読するよりは自習用テキストを2,3周して説明できるレベルまで持っていくほうがいいと思います。(これは僕が今後悔していることでもあります)

・講師
村松 俊彦先生
名駅校のハイパーはその人数の少なさゆえに、物理はガリレオルームというホワイトボードのある部屋で授業が行われます。基本先生が授業を進行しますが、頻繁に生徒に質問を投げかけます。またたまにホワイトボードを使わせて生徒に説明させる形で授業が進んでいきます。したがって、この授業においては、物理という科目の特性もあり「どういう思考プロセスを辿っているのか」ということを言語化することが求められます。それゆえ先生が同じ質問を全員に答えさせ、結果異なった説が生じて、生徒がどの考え方がどういう点から考えると正しいのかということを説明する機会も出てきます。
以上のようにかなり双方向性の強い授業になるため、集団授業における先生の一般的評価とは自分の評価がまた違ったものになっているのではないかな、と思いますが一応述べます。

わかりやすさに関しては、分かるまで説明をしてくれるため良いと思います。ただ発展的な事柄(重心相対等)を積極的には使わず、あくまで純粋な高校の範囲内での解答を主にしているといった感じはあります。そのせいか少し曖昧な解説になる場面もありますが、そういう時は元々問題自体があまりよくなかったので致し方ないかなと思います。(一度重心周りでモーメントを考えないと解答不能の問題がありました。重心まわりにする考え方は内部角運動量保存から必然的に導けるのですが、高校範囲からそのプロセスに必然性をもたすなど不可能であるゆえ、「運動している最中にはこう解く」といった形での進め方をしていました)
ただそのような高度な事項を扱わないわけではなく、使えたら使えばいい(ただししっかりとした根拠を持って)といったスタンスなので、発展的事項の解説自体は普通にあります。物理の基礎原理から現象の解析を導くことを重視しているため、物理でありがちなパターン主義からは脱却できることは間違いないと思います。かなり優しい先生で、かつ面倒見もとても良いです。

各授業を担当してくださっている先生について、wikiからの引用も交えながら書いていこうと思います。

・ハイパー① 桜町和男 先生
よく哲学的、社会科学的なことを背景にして説明をしてくれます。あまり身近なもので例えをしない(数学をあくまで数学の範疇でわかりやすく教える)スタイルなので、苦手な人にとってはついていくのが少し大変かもしれません。チェコの数学セミナー的なもので学生相手に教えた経験があるとか。
論理記号(∃,∀など)は最初説明はしますが後半では普通に使っていました。(18年度の3人が全員論理記号を知っていた、使っていた、ということも影響しているかもしれませんが) 高校数学の背景にあたる部分をよく説明してくださります。(反転や中国剰余定理などなど) 
添削に関しては、細かい部分まで指摘してくれます。その上どの分野が弱いかなどを的確に把握して教えてくれるので、面倒見のいい先生だと思います。

・ハイパー② 竹内大栄 先生
非常にオーソドックスな教え方をする先生です。問題解説を1題終えるごとに何か疑問等がないか聞いてくださるので、何かあれば積極的に質問しましょう。質問がないと静寂の数十秒が訪れるだけです 
完成シリーズのテストゼミにおいては、150分間テストを解いた後の余った時間で追加問題を解説してくださるのですが、受験生のツボを突いてくる、知っているとだいぶ役立つようなものが多くかなりためになりました。物腰の柔らかい先生です。学生時は東大に合格しています。

・ハイパー演習 小田裕介 先生
上の2人の先生に比べてかなり若いです。名大オープンの作問チームに所属しています。教え方に関しては、ただ計算するだけの場面などはすっ飛ばして解説してくださるのでかなりスピーディーです。ただ論理的、数学の発想的に大事な場面では丁寧に教えてくださるのであまり心配しなくても良いと思います。生徒に質問を投げかけるスタイルで授業をしていました。(大人数ではどうなるかわかりませんが) 
受験数学において必要な考え方は何度も強調される(分からなかったらとりあえず実験、とか)ため、ポイントとなるところが身につきやすいと思います。あと、生徒の授業態度には厳しめなのでそこだけは気をつけたほうがいいかもしれません。(授業中に思い切り欠伸をするなど、常識的にするべきではないものは慎みましょう)

だいたいこんなところでしょうか。次は物理について説明します。

詳しいことはパンフレットを見てもらえば分かると思うので、パンフレットに載っていない情報を書いていこうと思います。


・Super One Wexコース

…よくその頭文字をとってsow(ソウ)と呼ばれたりします。ちなみに意味はone way express(片道特急)からきているとか。既に寄り道しているんですがそれは

センター、文系科目を含め総合的に授業を履修します。平日1日平均4コマ(=6時間)が授業。2018年度はおよそ文系40人,理系45人程度がこのコースを選んでいました。sow専用のゼミが存在し、土日に1限程度授業相当のものがあります。コース紹介の段階で、教務課に「どれか1科目でも不安要素がある場合はこのコースがおススメ」と言われることもあり、大抵の人はここに行きます。合格率は7割程度ですが、東大に出願した人が母集団になっているため実際はもう少し低いはず


・ハイパー東大理類数理演習

…表向きは英語が強い人が数理科目を強化するためのコース。ですが、実際は数理科目をより伸ばしたい人、ある程度自信のある人がこのコースを選択している傾向にあります。

数理科目は必修で、残りのコマは選択形式。6コマを選択することができます(選択枠を全て使った場合、SOW生に比べて4コマ少なくなる)。数理科目はハイパー専用のテキストを使用し、先生もSOWとは別。文系科目はトップ東大アドバンスコース(後述)と合同授業。

2017年度にコース自体ができました。2017年度は4人、2018年度は3人。結果的に超少人数制。そのため数理科目に関しては個別指導的側面が多少存在します。あと仲が良くなる

後期がほぼ全てテストゼミになることが特徴的。(各科目の紹介を参照)

ハイパーは名駅校の他にも本郷校舎、福岡校舎にも存在しますが、人数は名駅でいうsow理くらいだそう。また本郷校舎にはプレミアム東大理類コースというものも存在し、そちらの方がより高度なものを扱っているとか。(河合塾wikiで説明されています)


・トップ東大アドバンスコース

sowの認定基準(全統マーク,記述どちらかで偏差値70or東大opでC判定以上)に満たなかった、あるいはsowが定員に達したため入れなかった人が通います。東大合格率は3割だとか。opでA判定の人も少数ながらいます。2018年度は文理あわせて40人程度。


以上が大まかな説明です。

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